診療科目 一般内科・糖尿病内科・循環器内科・アレルギー科
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睡眠時無呼吸症候群 SAS

sas

睡眠時に10秒以上の呼吸停止がみられる状態のことを睡眠時無呼吸といい、ほとんどの場合、いびきを伴います。 睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、1時間あたり5回以上無呼吸や低呼吸が発生し、そのために熟眠できず、日中に異常な眠気を催す病気です。

脳、神経、心臓の病気が原因の中枢型、喉が閉じてしまうことで起こる閉塞型、両者が混合して起こる混合型があります。 閉塞型が最も多く、肥満と強い関連があります(喉・顎の骨格的な形態が関与する場合には肥満伴わないこともあります)。

生命予後に関してですが、米国の研究では、中等症以上の睡眠時無呼吸症候群を放置すると100人中、8年後には平均37人が死亡するという報告がなされています。 しかし、適切な治療を受ければ、健康な人とほとんど生命予後は変わりません。

睡眠時無呼吸症候群の放置は非常に危険です

睡眠時無呼吸症候群を未治療で放置すると、交通事故、仕事上のミス、学業不振 などのほかに各種疾患(高血圧、不整脈、脳血管疾患など)を発症するリスクが大幅に上昇します。

無呼吸によって睡眠中に血液中の酸素濃度が下がり「低酸素血症」が生じると、心拍数や血圧が上昇します。 これは"呼吸不全"になった時とまったく同じで、酸素吸入を必要とする状態です。 体にとって危険な状態ですから、心臓はすばやく反応し、心拍数を上げて体中に十分な酸素を供給しようとします。 その結果、血圧も上昇します。

これは激しく運動をしている時と同じ負担が心臓にかかることを意味します。 こうした異常事態が、1時間に何回も毎晩発生し、そして何年も繰り返されるわけですから、心臓や全身の臓器、血管に蓄積するダメージは深刻なものとなります。

長期間にわたって交感神経の異常な緊張状態が続き、種々の心臓疾患や脳血管疾患の発症や悪化に大きな影響を及ぼします。 睡眠時無呼吸症候群を未治療で放置することは"突然死"にも結び付きかねない、非常に危険なことです。

睡眠時無呼吸症候群の診断

睡眠時無呼吸症候群の診断は、詳細な問診で自覚症状や日頃の睡眠状況を確認することから始まります。 睡眠中や日中の気になる症状がありましたら、気軽にご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群の主な症状

以下の症状のうち複数が当てはまれば、睡眠時無呼吸症候群が強く疑われます。

  • いびきがひどいと指摘される
  • 熟睡できない
  • 起床後、体がだるくてすっきりと起きられない
  • 日中に眠くなる
  • 集中力や記憶力の低下が気になる
  • 起床時の頭痛

睡眠時無呼吸症候群の簡易検査

睡眠時無呼吸症候群の簡易検査

当院では睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、「簡易検査」をお勧めしております。 郵送で提携会社より検査機材(睡眠時無呼吸症候群の診断、および程度を測定するための検査機材)が届いたのち、ご自宅で検査を行っていただき、再び検査機器を郵送で送り返していただくシステムです。

呼吸センサーを口と鼻に、血中酸素濃度を調べるセンサーを指に、それぞれ取り付けて一晩、装着して就床していただき、無呼吸・低呼吸が程度と回数を評価し、また血中酸素濃度の低下がどの程度生じているかを調べます。

睡眠時無呼吸症候群の治療法

治療法は、睡眠時無呼吸症候群を招いている原因、また個々の患者様の状態に応じて、下記のような方法のなかから選択されます。

CPAP療法

CPAP療法

CPAP療法(Continuous Positive Airway Pressure=経鼻的持続陽圧呼吸療法、通称シーパップ)とは、圧力を加えた空気を鼻に装着したマスクから送り込むことによって、ある一定の圧力を気道にかけ、気道の閉塞を取り除いて無呼吸を防ぐ治療法です。 睡眠中のみに使用し個別に必要な圧力を定めて治療を行います。

中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群に効果的で、大部分のケースで、この治療を行った当日からいびきをかかなくなり、朝の目覚めもより快適となり、昼間の眠気も軽減します。 睡眠時無呼吸症候群の最も重要な治療法として、欧米や日本で広く普及しています。

傾斜マクラ・マウスピース

マウスピース

気道を広く確保するための睡眠中の体位の工夫は有効です。 軽症の睡眠時無呼吸症候群ではうつぶせまたは横向きで寝ることで症状が改善する場合があります。 横臥位寝姿勢を保つように工夫された寝具の利用が有効な場合があります。 睡眠中の体位を保つための方法で簡単なものにテニスボール法があります。

パジャマの背中側の首下にポケットを縫い付けて、ポケットの中にテニスボールを入れるだけです。 睡眠中に寝返りをうちはじめると、背中のボールがあたって刺激となり、身体の向きを元に戻すという簡単な仕組みです。 気道を広く確保できるように下顎を上顎よりも前に出るように固定するためのマウスピース(歯科的装具) の利用も軽度から中等度までの睡眠時無呼吸症候群では有効です。

生活習慣の改善

生活習慣の改善については、

肥満の改善

肥満の方は、減量により肥満による首周りへの脂肪の沈着を減少させることが大切です。 睡眠時無呼吸症候群では10%の減量により、無呼吸を25%減らすことが可能だとの報告もあります。

就寝前のアルコール摂取は控える

就寝前の少量のアルコールでも、睡眠中の無呼吸を悪化させることがあります。 就寝前の少なくとも4時間は飲酒を避けることが望ましいです。 アルコールは、普通の状態より、咽頭の筋肉を緩め、気道の閉塞を引き起こしやすくします。

また、アルコールは脳の目覚めを悪くさせるために、危険な長い無呼吸を増加させます。 睡眠薬や抗不安薬などのなかには筋弛緩作用を有するものがありますので、服用にあたっては主治医にご相談ください。

耳鼻咽喉科的手術

扁桃腺・アデノイドが肥大したケースでは扁桃腺・アデノイドを摘出する手術が有効な場合があります(上気道が広くなります)。 手術適応については、耳鼻咽喉科へ御紹介し診察を受けていただいた上で検討します。また、鼻閉によっても無呼吸は悪化します。 耳鼻科で鼻疾患(アレルギー性鼻炎、 蓄膿、鼻茸、下鼻甲介肥大、鼻中隔弯曲など)についての精密な診察を受け、治療を受けることも大切です。