当院では主にインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチン、 帯状疱疹ワクチンの予防接種を行っています。 その他のワクチン接種を希望される方は、個別にご相談ください。
予防接種時の体温については、当日、クリニックで検温し記入いたします。
- インフルエンザ予防接種をご希望の方は、予めインフルエンザ予防接種予診票にご記入の上、ご来院いただけますと当日のご案内がスムーズになりますので、ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。
- また、問診票は受付で記入もできますので、お気軽にお問い合わせください。 予診票については、以下よりダウンロードください。
- 予診票は両面印刷又は片面2枚を印刷しホチキス止めにしてご持参ください。 (予診票1ページ目の注意事項「インフルエンザワクチンの接種について」を必ずお読み下さい。)
当院の予防接種について
料金のご案内
予防接種については、自費料金・税込み料金となっております。
インフルエンザワクチン | 65歳以上 | 2,000円 |
65歳未満 | 4,500円 | |
肺炎球菌ワクチン | 肺炎球菌23価 | 8,500円 |
肺炎球菌13価 | 12,000円 | |
帯状疱疹ワクチン | シングリックス(※1) | 22,000円×2回 |
弱毒性生ワクチン(※2) | 8,500円 |
※1シングリックス:50歳以上の方、接種可能
※2弱毒性生ワクチン:50歳以上の方、接種可能/妊娠中の方・ステロイドや免疫抑制剤を使用している方は接種不可
予防接種後の注意点
予防接種後の30分程度は、接種を受けた医療機関にそのまま留まるか、医師とすぐに連絡が取れるようにしておきます。 接種部位に異常な反応が現れたり、体調に変化が生じたりしたような際は、速やかに医師の診察を受けましょう。 また、接種部位は清潔を保ち、接種後24時間以内は体調が変化する怖れがありますので、過激な運動や過ぎた飲酒は控えるようにしてください。
予防接種の目的
ワクチンを体内に注入することで、特定の病気に対する抵抗力(免疫力)をつけ、その病気にかかりにくくなります。 あるいは発症したとしても症状の軽症化が期待されます。
ワクチンとは、毒性がなくなったか、もしくは弱められた病原体を体内に注入することで、対象となる感染症にかかりにくくする効果を持つ薬剤のことです。 ワクチンを体内に注入することで、特定の感染症にかかったことがなくても、その感染症に対する免疫力がつくようになります。
ワクチン接種につきましては、個人の身を守るという面のほかに、感染症の流行を防止する(集団免疫)という目的もあります。
インフルエンザワクチン
主に飛沫感染や接触感染によってインフルエンザウイルスに感染して発症する呼吸器感染症がインフルエンザです。 1~2日間ほどの潜伏期間を経て、高熱(38℃以上)、悪寒、頭痛、関節痛、倦怠感などの全身症状がみられ、カゼに似た症状(鼻水、咳、痰 など)も現れます。
このほか、呼吸困難、腹痛、下痢なども生じます。多くは3~7日間ほど症状が続いた後、治癒に向かいます。 なお小児やご年配の方、基礎疾患をお持ちの方は重症化するリスクが高く、気管支炎や肺炎を併発するほか、人によっては脳炎や心不全になることもありますので、要注意です。
インフルエンザの予防対策
インフルエンザにはこまめに手洗いやうがいをするなど様々な予防対策がありますが、最も有効と考えられているのがインフルエンザワクチンによる予防接種です。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンで、12歳までの小児については2回の接種が必要で、13歳以上の方から1回の接種となります。 また2回接種する場合は、1回目から2~4週間ほどの間隔を空けてから2回目の接種を受けるようにしてください。
インフルエンザワクチンの接種時期
なお同ワクチンは接種時期も重要です。 日本では例年インフルエンザが猛威をふるうのが12月~翌年3月頃で、また1回の接種による持続期間が5ヵ月ほど、接種後に効果が出るまでに2週間ほどかかることなどから、12月中旬頃までに接種を受けることができれば、高い効果が期待できます。
肺炎球菌ワクチン
肺炎では、主に病原微生物(細菌やウイルス)が肺に感染し炎症が起きています。 肺に病原体が侵入すること自体は珍しいことではなく、多くの場合は生体に備わっている防御機構で自然に排除されています。 しかし、何らかの原因で体力や抵抗力(免疫力)が落ちていると肺炎を発症しやすくなります。
特に高齢者や慢性の疾患を罹患している方は肺炎のリスクが高いのです。 よくみられる症状としては、38℃以上の高熱、激しい咳や膿性痰、息苦しさ、胸痛などが現れます。 肺炎の病原体には様々なものがありますが、成人が感染する肺炎のうち約20~40%は肺炎球菌によるものです。
肺炎球菌ワクチンの接種で肺炎予防
肺炎球菌ワクチンは、成人肺炎の最も重要な原因となる肺炎球菌に対するワクチンです。 肺炎球菌の感染を予防するために使用できるワクチンには、23種類の肺炎球菌の型に対応するワクチン(23価ワクチン)と13種類の肺炎球菌の型に対応するワクチン(13価ワクチン)の2種類があります。 それぞれの特徴は以下のとおりです。
23価ワクチン
肺炎を起こしやすい肺炎球菌の約80%をカバーするものの、5年経過すると予防効果の低下を生じます(5年ごとに接種可能です)。
13価ワクチン
免疫誘導能力が高く1回の接種で十分な効果がありますが、肺炎を起こしやすい肺炎球菌の約60~70%しかカバーできないことや、筋肉注射であるため接種時の痛みや接種後の筋肉痛が出現しやすいという欠点があります。さらに、6歳以上65歳未満の接種が認められていません。
※二種類の肺炎球菌ワクチンは、上記の特徴を踏まえた上で、年齢や免疫不全の有無などを総合的に判断して、適切に組み合わせて接種することが推奨されています。
成人用肺炎球菌ワクチンの接種が推奨される方
以下に該当するような方は、肺炎球菌ワクチンの接種をお勧めします。
- 高齢者、特に70歳以上の方
- 心臓や肺に慢性疾患のある方
- 糖尿病で治療中の方
- 腎不全や肝機能障害のある方
- 脾臓摘出などで脾機能不全のある方*
*脾臓摘出などで脾機能不全のある方について
脾臓は、最大のリンパ組織で、莢膜を持つ細菌(肺炎球菌も含まれます)に対する免疫で重要な役割を果たす臓器です。脾臓摘出術後、先天的無脾症、脾臓低形成、脾梗塞などによる脾機能低下があると、主に肺炎球菌による劇症型感染症のリスクが高まります。肺炎球菌ワクチンの接種を受けることで、肺炎球菌が原因の肺炎にかかりにくくなるほか、感染して発症したとしても軽く済むことが期待できます。
帯状疱疹ワクチン(シングリックス・弱毒性生ワクチン)
帯状疱疹は80歳までに日本人のおよそ1/3が罹患します。 50歳以上になると発症リスクが高まります。50歳以上の方が帯状疱疹に罹患すると、20%程度の方が後遺症として帯状疱疹後神経痛に悩むことになるといわれております。
また、顔面に発症すると目や耳の神経の障害を生じ視力低下や難聴などをきたす場合もあります。 帯状疱疹ワクチンを接種することにより、帯状疱疹の発症リスクを低下させます。
シングリックスと弱毒性ワクチンの違いについて
発症予防効果は弱毒性生ワクチンが50%程度などに対して、シングリックスは97%と非常に高い効果を期待できます。
弱毒性生ワクチンはウィルス活性を弱めたものですが、シングリックスは病原性をなくしウィルスの一部のみを使用した「不活化ワクチン」となりますので安全性も高く、免疫力が弱った方にも接種可能です。
効果持続期間は、弱毒性ワクチンが5年程度に対して、シングリックスは現時点で9年以上の長期にわたり免疫が持続すると報告されています。